猫の黄色脂肪症について
2021年05月06日
黄色脂肪症について教えてください
黄色脂肪症は、猫の食生活に関係して発症する病気のひとつです。
黄色脂肪症になると、体内の脂肪が変性して皮下にしこりができたり、炎症が起きたりします。
このしこりは、痛みや熱を伴うことがあり、猫は動きが不自然になったり、体を触られるのを嫌がったりします。
黄色脂肪症(イエローファット)と呼ばれるのは、変性した脂肪が黄色く見えるためです。
黄色脂肪症の原因
黄色脂肪症は、魚類の食べすぎで起こります。
魚類には、不飽和脂肪酸という成分がたくさん含まれています。
この不飽和脂肪酸は、体にとって重要な栄養素なのですが、とても酸化しやすい物質で、すぐに酸化して過酸化脂質という物質になってしまいます。
これがタンパク質と反応して黄色脂肪となり、しこりや炎症の原因となります。
ビタミンEで黄色脂肪症予防
一般的に、市販のキャットフードや缶詰には、酸化を防ぐために、あらかじめビタミンEが必要量添加されているので、魚味のキャットフードを毎日常食していたとしても問題はほとんどありません。
しかし、生魚や家庭で調理した魚料理のみを毎日与えている場合は、黄色脂肪症になる可能性があるので、食事の改善が必要になります。
日本の猫の場合、昔から魚を多く食べており、今も「猫イコール魚」というイメージが強く持たれていますが、猫だって肉も野菜も食べてかまいません。
食材を偏りなく食べることが、栄養の偏りを防ぐための一番の予防策です。
また、魚類の摂取による脂肪の酸化を防ぐためには、魚を与えるときにビタミンEも一緒に加えてあげるといいでしょう。
魚の脂を多量に摂ると、ビタミンEがたくさん必要になり、もしも体内にあるビタミンEや食事から摂取できるビタミンEが少ないと、黄色脂肪症になることがあります。
この病気は見方を返ると「ビタミンE欠乏症」ともいえます。
猫の食事で栄養面が必要な場合は、魚中心の食生活をできるだけ避け、食事改善を試みるとともに、適度に良質のキャットフードを使用していく方がいいかもしれません。