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犬のアトピー性皮膚炎の治療と管理法

アトピー性皮膚炎の犬の治療法を教えてください

アトピー性皮膚炎の診断は、獣医師によって皮膚検査を行い、細菌やマラセチア、真菌、外部寄生虫ななどの感染症ではないことを最初に調べます。そして、アトピー性皮膚炎と診断した場合、急性期と慢性期に分け、症状や費用、薬の効き目などを考慮しながら、その犬に合った適切な治療法を選択して、獣医師と飼い主の二人三脚で治療が進められていきます。

急性期の治療と管理

アトピー性皮膚炎の急性期の症状とは、季節の変化にともなって、花粉や草などに対する過敏反応をもつ犬があらわす症状のことです。

 

皮膚が赤くなり、赤い斑状の湿疹やじんましん様の紅い浮腫が、アトピー性皮膚炎の症状を起こしやすい皮膚の部位に、限局(軽症)あるいは全身(中等度から重症)に認められます。

 

軽度の急性期症状ではときおり、顔面をかいたり、こすったり、四肢をなめたりする動作が認められます。

 

中等度から重症の場合は、かゆみを示す箇所が増えて、飼い主から見ても全身にかゆみがあるように感じられます。

 

アトピー性皮膚炎でも急性期の治療法としては、大きく次の3つが挙げられます。

1、悪化に関わる病因を見つけて取り除く

ノミや食事、環境因子など原因と考えられるアレルゲンを可能であればアレルギー検査を実施して見つけ、回避します。

 

皮膚または耳道に感染する細菌や酵母菌(マラセチア)が検査によって炎症の要因となっていると考えられた場合は、抗生物質等の治療を実施します。

2、薬浴

皮膚と被毛の衛生状態を維持するために、刺激の少ないシャンプーによる薬浴を行う。

3、薬物療法

軽症の場合、症状のある体の部分に対して、副腎皮質ステロイド剤を含有した軟膏を用いて治療を行います。

 

外用薬によって症状の維持ができない場合、特に症状が全身にわたる中等度から重症の犬では、内服の副腎皮質ステロイド剤の投薬を行い、症状を緩和させます。

慢性期の治療と管理

慢性期の症状とは、アトピー性皮膚炎と診断されて治療を受けてから長期間経過しているものを言います。

 

1年を通じた持続性の皮膚の赤み(紅斑)、厚く感じる皮膚と鱗状の変化(苔癬化)、メラニンが沈着したと思われる皮膚が黒ずんだ色調への変化(色素沈着)、犬自身がかきむしったり、噛んだりする創傷と脱毛が、アトピー性皮膚炎の皮膚症状を起こしやすい部位に生じていれば、慢性期の症状となります。

 

慢性期の場合も、体の一部に限局して生じる場合(限局性)と全身に認められる場合(中等度から重症)があります。

アトピー性皮膚炎の慢性期は根気が必要

飼い主が適切な対処法をよく理解して、愛犬をアレルゲンからできる限り遠ざけること(アレルゲン回避)、症状が出ている皮膚や被毛をていねいにケアしてあげること(皮膚のケア)、薬により症状を上手にコントロールすること(薬物療法)を組合せて実践していくことで、症状の悪化を防ぎ、改善を目指します。

 

また、症状が緩和したとしても油断せずに、愛犬の一生を通じて再発を防ぐための予防策を行っていくことも必要となります。

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