眼に良いサプリメントについて教えてください
2019年05月22日
ペットの眼に良い栄養素
眼によいといわれる機能性成分などが含まれている多くのサプリメントが市販品や動物病院専用で出てきています。このページでは、眼と栄養素や機能性成分との関係についてお話させていただきます。
結論から申しますと、眼の健康を維持する成分は、全身の健康も維持する成分です。エネルギーや栄養素の過不足がないバランスの取れた食事を与えるようにしましょう。
眼の老化や健康障害は、活性酸素による細胞障害によっても生じます。光が眼に入るだけで活性酸素は発生してくるため、眼の健康維持・老化防止のためには、抗酸化成分を含むフードやサプリメントを選択するとよいでしょう。
ビタミンA(レチノール)
角膜色素ロドプシンの構成成分で、また、角膜細胞の分化・増殖に関与し、角膜表面を保護する粘液の成分にも含まれています。不足により暗視野能力の低下や、角膜の乾燥(ドライアイ)、視力低下を生じます。
プロビタミンA
α-カロテン、β-カロテン、γ-カロテン、クリプトキサンチンなどは、体内で必要に応じてビタミンAに変換されて、ビタミンAの機能を発揮します。猫では、この能力がありませんがβ-カロテン自体には抗酸化作用があり、ほかの抗酸化剤との併用により、人で網膜の加齢性変性の進行抑制に有効であることが証明されています。
ビタミンB類
多くのものが皮膚や粘膜の健康に関与しています。エネルギー対処の補酵素としても重要胃な働きをしています。
- ビタミンB1:視神経の機能維持、粘膜の健康維持に関与します。
- ビタミンB2:不足すると眼の充血や、眼の痛み、かゆみなどが生じます。また、酵素グルタチオンペルオキシダーゼと協力して、過酸化脂質の除去に関与します。
- イアシン、ビオチン:欠乏すると結膜炎などを生じることがあります。
ビタミンC(アスコルビン酸)
水晶体や角膜に含まれているコラーゲンの生成に不可欠です。ビタミンEなどとともに酸化的ダメージから眼を守ります。また、眼の充血を防ぎます。
ビタミンE(トコフェノール)
酸化的ダメージから眼を守ります。
ビタミン様物質
白内障の進行防止、粘膜の炎症、網膜の老齢性変性の進行延滞に有効と言われています。アスタキサンチン、ルティン、アントシアニンなどがあり、抗酸化作用胃で血行促進作用などがあります。ルティンは、ヒトで、網膜に多く分布している成分です。もともと、植物の色素成分は、植物を紫外線の害から保護し、さらに、光合成でできた酸素が活性酸素として自らの細胞を酸化する害から守るための成分として作り出されたものです。
リジン
最も不足しやすい必須アミノ酸です。不足により、眼の充血が生じます。
コラーゲン
細胞や組織をつなぐ結合組織たんぱく質で、眼の機能維持、老化防止に役立っています。
タウリン
網膜に多く含まれる遊離アミノ酸で、暗視野能力を高めるほか、眼の炎症を抑制し、酸化的ダメージから保護する働きもあります。
DHA(ドコサヘキサエン酸)
色素タンパク質ロドプシンの機能維持に必須の成分で、視力の向上に役立ちます。
α-リノレン酸
α-リノレン酸の不足した食事で飼育された成長期の動物では、網膜や脳内のDHA量が低下していることが解明されています。不足により、網膜や視力機能の障害を生じます。α-リノレン酸で摂取するよりも、EPAやDHAとして摂取するほうが効率的です。
コンドロイチン硫酸
動植物体に広く存在するムコ多糖の一種で、加齢によって生成量が低下します。角膜や水晶体の透明感や弾力性の保持に役立っています。ヒアルロン酸も、コンドロイチン硫酸の仲間で、硝子体成分として1935年に発見されました。
ムチン
糖タンパク質で、粘膜を潤して粘膜の損傷を防いでいます。
亜鉛
皮膚や粘膜の健康維持に必要なミネラルです。抗酸化作用のあるビタミン類とともに、眼の老齢性変性抑制に役立っています。
セレン
抗酸化酵素グルタチオンペルオキシダーゼの構成成分として、抗酸化作用を発揮します。