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子宮蓄膿症について教えてください

犬や猫の子宮蓄膿症とは

子宮蓄膿症とは、子宮内に膿が溜まる病気です。発情期になると、黄体から作られるプロゲステロンという女性ホルモンが分泌され、子宮内を受精卵が育ちやすい環境にしてくれるのですが、妊娠していない場合の子宮内は細菌が繁殖しやすい環境となります。雄を受け入れやすく受精しやすくするために子宮頸管が緩む発情期に、膣や外陰部に存在する細菌(約80%が大腸菌)が子宮に侵入、発情が終わり子宮頸管が閉鎖し、子宮に閉じ込められた細菌の増殖により子宮蓄膿症が引き起こされます。大量の細菌が体の中で繁殖してしまうため、進行すると敗血症につながる恐れもあります。

犬も猫も発情期が終了してから、約60日以内の発症がほとんどを占め、雌猫は年齢に関係なく発症し、雌犬の場合は、5~6歳以上で未経産とか長く繁殖を休止している犬に多く見られます。その他、発情抑制や誤交配後の着床阻止のためのホルモン剤の使用後に発症する可能性もあります。

子宮蓄膿症の症状

典型的な症状は、食欲不振、多飲多尿、嘔吐、腹部のはれ、発熱、脱水、陰部の汚れ、などがあります。子宮頸管が閉じていて膣から分泌物が流れ出ない閉鎖型子宮蓄膿症の場合、飼い主さんによる発見が遅れ重症となっていることがあります。猫は生理がない動物なので、もし膣からの出血があれば子宮に異常があることが考えられます。

子宮蓄膿症の治療

子宮蓄膿症の治療方法は内科治療と外科治療がありますが、卵巣・子宮摘出手術が一般的であり、そのほうが雌犬・雌猫の予後はいいようです。どうしても子どもを得たい場合、ホルモン剤を投与し子宮から膿を排出させるという選択肢もありますが、摘出手術以上に合併症や再発のリスクを伴います。

子宮蓄膿症の予防

子宮蓄膿症の一番の予防は避妊手術しかありません。
避妊手術は、子宮蓄膿症だけではなく、子宮ガンや乳腺腫瘍の予防にも効果的です。

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