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犬や猫の腸内環境を整える方法を教えてください

犬や猫の腸内環境を整える方法

犬や猫の病気を防ぐには、腸内細菌が喜ぶ栄養素を送り込んで腸内環境を豊かに育み、腸内細菌の活動を高めてあげることです。

腸内環境を整える食事

腸内環境を整えるには、普段の食事を1日2~3回にわけて、こまめに与えてください。
一気食いを防ぐことによって、腸内環境が乱れにくくなります。

すでに腸内環境が悪化している場合は、消化のよい食事(胃腸疾患用の高消化性療法食など)か、食物繊を増量した食事を少量ずつ1日数回に分けて与えます。また、オリゴ糖は腸内善玉菌の増殖を促し、腸内環境を整えるのに役立ちます。

食物繊維

食物繊維が不足すると、便秘や炎症性腸疾患、猫の場合は巨大結腸症などの大腸障害が心配されます。食物繊維は腸内細菌が好んで食べるエサであり、食物繊維というエサを摂ることは、腸内細菌の増加につながります。

腸内善玉菌のエサとなる食物繊維はプレバイオティクスと呼ばれ、水への溶けやすさから水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分けられます。また、腸内細菌による発酵を受けやすい易発酵性食物繊維や発酵されにくい遅発酵性食物繊維などに分けられます。水溶性の食物繊維は易発酵性で、腸内の善玉菌(乳酸菌など)の栄養源となり腸内環境の適正化に役立ちます。発酵によって生じた短鎖脂肪酸は結腸のエネルギー源になるほか、phを低下させて、腸内の悪玉菌を減少させます。

不溶性の食物繊維は繊維質内に水分を保持し、腸管の運動性や腸内容物の通過時間を正常化して、糞便中の余剰な水分吸収を助けます。また、腸内毒素や有害物質を取り込んで、排泄する働きもあります。

通常の食事に繊維質を加える場合には、おからのような大豆繊維やふすま(小麦の外皮)、コーンフレークやオートミールなどのシリアルなど中程度の発酵性の繊維質源を使用してみると良いでしょう。

なお、食物繊維を過剰に与えると軟便、下痢、鼓腸などの症状がみられますので、便の様子を観察しながら食物繊維の量の調整が必要となります。

オリゴ糖

糖類には、砂糖や果糖、乳糖など様々ありますが、オリゴ糖は別名少糖類とも呼ばれています。オリゴ糖は、熱や酸に強い特性を持つことから、胃酸や消化酵素によって分解されず、腸まで到達し、善玉菌であるビフィズス菌の栄養源になり、その数を増やしてくれる頼もしい存在です。

オリゴ糖を豊富に含む食品の代表格と言えば、大豆などの豆類、ライ麦、玉ねぎ、ねぎ、ごぼう、トウモロコシなどの野菜や、果物であればバナナなどです。ただし、犬や猫にとってタマネギやネギは危険な食べ物ですので、絶対に与えてはいけません。

サプリメント

セルロースのような繊維質サプリメントは手軽に入手することができますので便利です。通常の食事への繊維質サプリメントの添加により、お腹が張ったり、腹鳴が観察された場合には添加量を減らしてください。

腸内善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖以外に、有用微生物生産物質のようなサプリメントも腸内環境を整えることも有効です。このような有用微生物生産物質はバイオジェニックスと呼ばれています。

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