ペットにも便秘はありますか?
2018年08月29日
ペットも便秘になりますか?
ペットの便秘とは
便秘とは一般に、排便回数の減少や排便時に苦痛を伴うもの、排便困難(いきむ、しぶり)を伴う場合を言います。
便秘の原因としては、脱水、腸管の運動性を低下させる薬剤、排便の拒否、神経麻痺、骨盤腔の狭窄や結腸の閉塞、毛球や石・土の摂取、環境や運動不足、突発性など様々です。
慢性再発性の便秘では、結腸内に糞便が長く留まることで、より水分を失い硬くなっていきます。
そのため、排便が出来なくなり、結腸が弛緩・拡張して巨大結腸症が生じます。
巨大結腸症は、猫でときおり遭遇する疾患です。
慢性の便秘の動物では、体重減少や食欲不振、嘔吐、抑うつなどがみられます。
原因となっている疾患の内科的治療、外科的治療、便秘に対する治療とともに、適切な食事を選択して給与することが重要となります。
便秘の状態にある動物の食事管理
便秘の状態にある動物では、飲料水が不足している場合があるため、複数の水飲み場や容器を用意して、いつでも水が飲める環境を整えます。
水の嗜好性を高めるために、水に匂い付け程度にささみ肉の茹で汁やカツオのだし汁などを加えてみても良いでしょう。
また、ドライフードから水分含量の多いウェットタイプのフードへの切り替えや、ドライフードを水やぬるま湯でふやかして与えるようにします。
繊維質は便の水分含量や便の容積を増加させ、また結腸の運動性を調整する働きがあるため、便秘の管理に役立ちます。
特に水溶性食物繊維は水分含量を増やすとともにゲル化により便の通過を容易にします。
食事に繊維質サプリメントや繊維質含有量の多い食材を添加する方法や、繊維質が増量された動物用療法食を使用することで、繊維質摂取量を増やすことができます。
運動不足は便秘になりやすい
運動不足も便秘の要因となるため、運動不足にならないように散歩の時間を増やす工夫も必要です。
散歩に行くまで排泄をしないような我慢強い犬ならなおさら散歩の回数を増やし、排泄の機会を多くすることも大切です。
猫では、気持ちよく排泄ができるように落ち着いた排泄環境を用意し、また、常にトイレを清潔にしておくようにします。