ペットフードはいつ作られたのですか?
2018年06月20日
ペットフードの始まり
ペットフードが世界で始めて商業的に製造販売されたのは、1860年のこと。
ロンドン在住のアメリカ人、ジェームズ・スプラット氏がつくったドッグフードでした。
スプラット氏は犬たちが波止場で捨てられているビスケットを食べているのを見て、犬用のビスケットを製造販売しようと思いついた、と言われています。
それ以前の犬や猫の食事は家族(人間)の食べ物かその残飯だったので、その利便性からビジネスは成功を収め、次々と多様な商品が開発されてきました。
スプラット氏が犬用ビスケットを製造販売を始めた約60年後には缶詰ドッグフードが発売されました。
1927年にはアメリカのクラレンス・フランシス・ゲインズ氏が愛犬のために開発したという、最初のドライタイプのドッグフードが発売されました。
1950年代には、魚の缶詰の残りを利用してつくられた猫用フードがターキストという会社から発売されました。
日本におけるペットフードの歴史
日本にペットフードが普及し始めたのは第二次世界大戦後。
世界で始めてペットフードが製造販売されから約100年後のことです。
さらに、猫に必要な栄養素が犬とは異なることが分かり、キャットフードが販売されるようになったのは1970年代に入ってからです。
日本におけるペットフードの歴史はといえば、まだまだ浅いものです。
第二次世界大戦後に、連合国軍が多くの軍用犬を日本に連れて来たため、進駐軍向けにドッグフードが売られるようになったのが、日本にペットフードが入ってきた始まりといわれています。
日本にペットフードが普及し始めた頃は、犬や猫の栄養学に関する情報が乏しく、栄養バランスや商品の質も未熟で、健康管理というよりも空腹を満たすことが目的でした。
現在では、獣医学や栄養学の発達に伴い、健康管理はもちろんのこと、病気の回復にも重要な役割を果たすようになったのです。
さらにペットの健康とペットフードの安全性を確立するため、その製造にあたって栄養や安全性の基準を設ける団体が設立されました。
ペットフードの基準や規制で世界的に最も権威があるのはAAFCO(米国飼料検査官協会)ですが、日本では、ペットフード公正取引協議会がペットフードの安全性・品質向上の推進と啓発事業を行っています。
さらに、2009年に農林水産省と環境省主導でペットフード安全法が施行され、より一層ペットフードの安全性と品質の向上が重視されるようになりました。