犬と猫の必要な栄養素の違いを教えてください
2021年12月03日
犬と猫で必要な栄養素は違うのですか?
犬と猫は必要な栄養素の種類や量が異なる
タンパク質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルの5大栄養素は、犬も猫も必要です。
しかし、それぞれ食性や代謝が異なるため、必要な栄養素の種類や量が異なります。
犬と猫を飼っていて、犬がキャットフードを欲しがり、猫の分を横取りしてしまうことがありますよね?
犬と猫では必須栄養素の種類も量も異なるため、ドッグフードとキャットフードでは栄養バランスが違います。
ですから、犬にキャットフードを与えてはいけません。
犬にはドッグフード、猫にはキャットフードを与えないと、健康を損なう恐れもあります。
毎日の食事は、それぞれにあったものを与えるように心がけましょう。
横取りしてしまうときは、フードの与え方の工夫も必要です。
犬と猫の必要栄養素の違い
タンパク質
猫は犬に比べて、体重1kgあたり、より多くのタンパク質が必要です。
通常、人は犬など雑食性の動物は、摂取したタンパク質の量によってエネルギーに変えるタンパク質の量を調節しています。
ところが、猫は摂取したタンパク質の量にかかわらず、常に一定量のタンパク質をエネルギーとして消費しています。
そのため、タンパク質を十分に摂ることができない場合、体を構成するタンパク質を消費してしまいます。
タンパク質が減ると、免疫力低下などの問題につながりかねません。
アミノ酸「タウリン」
猫にはアミノ酸であるタウリンが必須です。
犬はほかのアミノ酸からタウリンを体内で合成することができますが、猫は合成することができないので、食事からタウリンを摂ることが必要となります。
タウリンが不足すると、目や心臓の病気などを引き起こします。
アミノ酸「アルギニン」
猫は犬に比べ、体重1kgあたり、より多くのアルギニンが必要です。
タンパク質を代謝する最後の過程で、有毒なアンモニアが生成されます。
これを無害化するために必要なのが、必須アミノ酸のアルギニンです。
アルギニンは犬でも猫でも必須アミノ酸ですが、猫はタンパク質を常にエネルギーとして消費しています。
もし、アルギニンが不足してしまうと、アンモニアが体内ですぐに充満してしまい、生命をおびやかす危険があります。
脂肪酸「アラキドン酸」
猫は、脂肪酸のひとつであるアラキドン酸が必須です。
犬はリノール酸をアラキドン酸に転換する酵素を持つため必須ではありませんが、猫ではその酵素の働きが十分ではないため、食事から摂る必要があります。
アラキドン酸の不足は免疫機能の低下や被毛の状態の悪化などを招いてしまいます。
ビタミンA
ビタミンAは犬と猫にとって必要な栄養素です。
犬はベータカロテンをビタミンAに転換する酵素を十分に持っているので、ベータカロテンを含んだ食事を与えれば、ビタミンAのことを気にする必要はありません。
しかし、猫はその転換酵素を十分に持っていないので、食事からビタミンAを摂り入れる必要があります。
ビタミンAが不足すると、目の病気などを招きやすくなります。