犬の食物アレルギーの除去食試験について
2021年02月24日
除去食試験について教えてください
犬の食物アレルギーの症状と診断方法は、多くは犬アトピー性皮膚炎、または犬アトピー様皮膚炎と同じです。
食物アレルギーはアレルギー検査によって陽性となる場合が少ないので、どちらかと言えば、はじめに犬アトピー様皮膚炎と診断される場合が多いかもしれません。
どちらも必ず、最初に細菌、マラセチア、真菌、外部寄生虫の感染を調べて、必要に応じて治療をし、症状の悪化要因を除外します。
その上で食物アレルギーが疑われる場合、除去食試験と食物負荷試験を行います。
現在においてはこれが、食物アレルゲンに対する過敏反応を診断する最も信頼のおける検査方法と言えるでしょう。
除去食試験と食物負荷試験について
除去食試験とは、まず原因アレルゲンとなる食物が入っていないフード(除去食)やホームメイド食などを、一定期間(2ヶ月間ほど)、間食を与えないように気をつけながら食べさせます。
除去食試験で症状の改善が認められた場合、食物負荷試験を実施します。
この食物負荷試験は、元のフードを7~10日間、少しずつ量を増やしながら与えて、皮膚症状とかゆみが再び認められるようになるか観察するというものです。
その結果、症状が再び認められた場合、元のフード内に過敏反応の原因となる食物アレルゲンが入っているということであり、食物アレルギーと診断されます。
除去食試験を行う前には、元のフードに含まれた食物アレルゲンを摂取し続けていましたから、皮膚症状が強く現れているケースが多くあります。
このような時は食べ物を変更することと同時に、副腎皮質ステロイド剤を投与して症状の緩和をはかりながら、ステロイド剤を徐々に減量していく方法をとることもあります。
投与を中止した時に犬のかゆみが治まっているようなら、与えている除去食が有効であると判断することができます。
犬の食物アレルギーで最も有効な治療法は食物アレルゲンを摂取しないことです。
除去食試験は検査だけでなく、そのまま治療も兼ねているのです。