犬のアレルギー性皮膚炎4種類

2020年11月25日

アレルギー性皮膚炎の種類について教えてください

犬のアレルギー性皮膚炎は、大きく4つに分類されます。

ハウスダストマイトや花粉などの環境因子による「犬アトピー性皮膚炎」、牛肉や豚肉などによる「犬の食物アレルギー（食物有害反応）」、ノミや蚊などの節足動物に反応する「ノミアレルギー」、金属などの化学物質による「犬の接触性皮膚炎（薬物有害反応）」です。

（※犬のアレルギー性皮膚炎の病態はすべて解明されているわけではないので、人の病名と同じように使用されている犬の病名は、きちんと区別して、正式には病名の頭に「犬」とつけますが、以降、便宜上省略します。）

これら4つのアレルギー性皮膚炎のなかで診療の頻度が多く、飼い主を悩ませるのは、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーです。

昔は、アレルギー性皮膚炎のなかで、ノミアレルギーが最も多く認められる病気でしたが、飼い主の意識レベルが向上するとともに、ノミやマダニの予防薬（駆除剤）の使用が普及し、室内飼育が増えた現在、ノミアレルギーの治療をうけるペットは少なくなりました。

アレルギー検査のひとつである結成アレルゲン特異的IgE検査を実施すると、ノミの唾液成分に対して陽性である犬はいるので、ノミアレルギー自体がなくなったわけではありません。多くの犬で発症していないだけと考えられます。また、地域によってはノミアレルギーの発症件数が多いところもあるかもしれません。

接触性皮膚炎は、食器内の金属やシャンプー内の成分に対するアレルギー反応の報告がありますが、頻度はそれほど多くないようです。

ただしワクチンや抗生物質、キシリトールなどの薬剤添加物に対するアレルギー反応では、浮腫やじんましんなど全身症状をともなって、救急処置が必要になる場合もありますので注意が必要です。

動物のフケや食べ物のカス、ノミ、ダニなどの死骸、糞といたハウスダスト、スギやヒノキの花粉あんど環境中のアレルゲンに反応して、皮膚に炎症を起こす症状です。

牛肉、豚肉、卵、牛乳、大豆、鶏肉などのタンパク質に反応して、皮膚に炎症を起こす症状です。

ノミや蚊などの節足動物の刺咬に反応して、皮膚に炎症を起こす症状です。

犬用品の金属やシャンプー内の成分、薬剤添加物などに反応して、皮膚に炎症を起こす症状です。