大動脈弁狭窄症(大動脈弁下狭窄症)について
2020年02月18日
大動脈弁狭窄症について教えてください
大動脈弁狭窄症とは
大動脈弁狭窄症は、犬の一般的な先天性奇形のひとつです。
心臓の左心室の出口は狭くなっているため、心臓が血液を排出する際に強い力が必要となるのですが、これが、徐々にあるいは突然、血液の流れに悪影響を及ぼして、障害を引き起こします。
大動脈弁狭窄症がみられやすい主な犬種は、ブルドッグ、ボクサー、バーニーズマウンテンドッグ、ロットワイラーなどが挙げられます。
大動脈弁狭窄症の症状
出生直後は、心雑音などの症状はみられません。
しかし、生後1週間~数ヶ月から徐々に進行し始めます。
普段の生活には全く問題はありませんが、健康診断で、心音の異常が確認されて初めて気づくことがあります。
あるいは、徐々に運動をきらうようになる、いわゆる運動不耐性や、突然、失神がみられることもあります。
何の前触れもなく突然死ぬケースもあります。
大動脈弁狭窄症の原因
左心室にある筋繊維の肥厚を引き起こします。
そして、肥厚した心内膜には小さな塊(小結節)ができます。
また、繊維状の隆起物が左心室の流出路を包囲して、血液が左心室からうまく拍出できなくなることもあります。
やがて、左心室に血液が流れにくくなったり、あるいは、血液の流れない部分が随所にできたりして、不整脈や心臓の突然停止を招いたりします。
大動脈弁狭窄症の治療
大動脈弁狭窄症は進行性の病気です。
生後12ヶ月齢以上では心臓の評価を行う必要がありますが、何らかの症状がみられた場合には、心電図検査やX線検査、超音波検査などを行います。
症状が軽い場合、治療の必要はありませんが、中~重症の場合には薬の投与を行い、心拍数が上昇して不整脈を生じないようにします。
特に症状が重度の場合には、3年以内に突然死亡する可能性が高いといえます。
治療として手術を勧められる場合もありますが、多くの問題があるため、慎重に対応すべきです。
また、残念ですが、大動脈弁狭窄症は先天性ですので、この病気にかかっている犬の出産はあきらめるべきでしょう。