一覧に戻る

甲状腺機能亢進症について教えてください

甲状腺機能亢進症とは

甲状腺とは

甲状腺とは、動物の体の発育や新陳代謝を促進するホルモンを出す内分泌線で、喉の器官の両脇にあります。分泌された甲状腺ホルモンは、体の代謝を促進させるための触媒のような働きをしていますので、甲状腺の機能が低下することで、基礎代謝量が低下し、元気がなくなったり、皮膚の新陳代謝が悪くなったりします。また、副甲状腺は血液中のカルシウムの量を上昇させるホルモンを分泌する。

甲状腺機能亢進症の特徴

甲状腺機能亢進症は、高齢猫でよく見られる内分泌異常症で、名前の通り、甲状腺と呼ばれる内分泌臓器が異常亢進を起こし、甲状腺ホルモンを大量に分泌する病気です。甲状腺機能亢進症は糖尿病に次いで猫に多い内分泌疾患です。犬の甲状腺機能亢進症の発症は稀です。

甲状腺ホルモンは動物の活力を増進させるホルモンですので、多くの猫に怒りっぽくなったり、極端に攻撃的になるなどの性格の変化が見らることがあります。食欲も旺盛になりますが、いくら食べても太らず、かえって痩せることが多いです。放置しておくと、心疾患や、腎疾患、さらには失明など、多くの症状を示しながら衰弱死してしまいます。このため、甲状腺ホルモンを低下される治療を実施しなくてはなりません。

歳をとってから性格が短気になったり、怒りっぽくなったりといった性格の変化がある猫に関しては要注意です。

甲状腺機能亢進症の症状

甲状腺機能亢進症の多くの症例が性格の変化が見られます。おとなしい子が活発になったり、短気で起こりっぱくなったりする程度のものから、極端に攻撃的になるものまで様々です。性格の変化が全く無い症例も多々いるので、怒りっぽくなってないから甲状腺機能亢進症はないと断言することはできません。基本的に多食傾向が見られますが、よく食べる割に痩せてくる。また、便秘や下痢と言った消化器症状を示す症例も多いです。さらに、水をよく飲み尿が多いと言った症状を示す場合もあります。病院での検査では高血圧が見られ、眼底出血等が起こっていることもあります。また、心臓に負担が掛かることから心疾患を併発することもあります。腎不全を併発することも多いです。高血圧や腎不全から網膜剥離を起こすこともあります。

甲状腺機能亢進症の治療法

甲状腺機能亢進症の治療法には外科的な対応と内科的な対応があります。外科的な対応は、甲状腺が大きくなっていることを確認した症例に有効で、甲状腺そのものを摘出してしまう方法です。一方、内科的な方法は、甲状腺ホルモンの産生を抑制する方法で、毎日の投薬が必要になります。内科的な治療法で用いられる薬剤には、肝臓に負担をかけたり顆粒球の減少を引き起こしたりするという重大な副作用があるため、定期的な診察を受けながら継続していく必要があります。

一覧に戻る